MEGABASS Engineering Team Blog Vol.111 | Megabass-メガバス

MEGABASS Engineering Team Blog Vol.111

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「New KNUCKLE」

 

 

世界初の2段階リップであるFXシステムを導入し、

1つのルアーで2つのレンジを攻略できる

システムクランクとして発売されたKNUCKLEシリーズ。

 

1つのルアーで2つの役割を担うという、

夢のようなアイデアから製品化されたシリーズですが、

トーナメンターの立場となって考えると、

状況や経験から導き出された、

「狙ったレンジ」というのが存在し、

そこで最高のパフォーマンスを発揮させるということが、

非常に重要な要素となってきます。

 

 

そこで、

KNUCKLEシリーズのレンジ特化型モデルを

競技仕様として試作。

新しい技術を使いながら様々な必要要素をプラスし、

大きく分けて3つのポイントについて、

ブラッシュアップを施してきました。

 

 

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まず1つ目が「アクション」。

 

よりハイピッチにキレのいいアクションを生み出すために、

サーキットボードリップを採用しました。

板の厚みは、0.6mm。

薄いと思われるかもしれませんが、

必要最低限の強度を兼ね備えながら、最高のアクションを出せる

絶妙なセッティングを施しています。

 

 

 

2つ目が「プレッシャー」。

 

ハイプレッシャーフィールドが多いトーナメントレイクにおいて、

プレッシャーを与えずにより多くの魚を引きだす、または、

プレッシャーを与えられた後に魚を引きだす事は

決して容易な事ではありません。

 

代表的な要素としては、

「音」によるプレッシャー。

サイレント仕様にして、ウェイト(ルアー内部のおもり)を

プラスチックの棒や壁によって固定しても、

少しの隙間が生まれ、ごく小さな音が発生してしまいます。

そこで、少しでもプレッシャーを与えないよう、

ルアーのウェイト音をサイレント化しました。

 

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採用した構造は、「S-CRANKシリーズ」で開発した、

プラスチックの反発力を使ってウェイトを固定する方法。

「周りを囲む」だけだったウェイトの固定を、

「押さえつける」という方式で固定し、

ウェイトの揺れを完全に排除しました。

 

 

 

そして、3つ目が「バラシ」。

 

手返しよくサーチしても、見つけた魚をバラしていては、

せっかく掴んだチャンスを棒に振ってしまいます。

少しでもそういった可能性を減らしたいという事で、

フロントフックのアイをスイベル化しました。

 

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フックの可動域を上げることで、魚への追従性がアップ。

暴れる魚にフックの方向が同調し、余分な負荷を軽減。

さらに、ルアーアクションからフックへの影響を減少し、

ブレの少ないフックポイントを実現。

フッキングのパワーがフックへと伝わりやすくなりました。

 

 

こうして出来上がった競技仕様の「New KNUCKLE」は、

一つの武器として、トーナメンターの皆さんと戦っています。

要望に対してルアーをブラッシュアップしていくという経験は、

日頃の開発業務とは違い、非常に有意義な経験となりました。

 

 

まだ発売などは決まっていませんが、

いつかみなさんにもこういった技術の詰まったルアーを

使って頂けたらなと思います。