通勤道中、目に飛び込んでくる満開の桜並木。今日は新年度のスタートにふさわしい春爛漫の天気。本社の開発室からは、北部に連なる雄大な赤石山脈が目に飛び込んでくる。メガバスの本社西ヶ崎工場は、つくづく良い所にあると思った次第。
さて、本日4月1日は新入社員の入社式。就職氷河期といわれて久しいが、ものづくりの町、ここ浜松も多分に漏れず多くの国産メーカーが海外へと拠点を移し、メイドインジャパン、メイドイン浜松のモノづくり文化の担い手である次代の若者が活躍するステージが少なくなってきている。釣り具業界に目を移せばそれは顕著に進行していて、もはや自社工場自体を持たない、企画とプロモーションだけでモノを動かすといった、メーカーといいつつ根を張らない手軽な体制のファブレス会社が多勢を占めている現状に、未来の我が国の釣り文化への不安がぬぐえない。
メガバスは、東京の品川区大井町にあった私のアパートの一室を工房としていたのが最初のファクトリー。静岡県の浜松市浜北区にあった私の自宅ガレージへ生産拠点を移転。その後、同市の中島町、小豆餅町、有玉南町と小池町を経て、現在の西ヶ崎ファクトリーへと発展してきた。近年は、西ヶ崎ファクトリーを中心に、ここで育った技術者たちが躍進し各地各国へと自社生産ネットワークが広域化し、メイドイン浜松に加えてMADE IN MEGABASSへと、グローバルなものづくりへと体制的進化を遂げている。でもその精神は今も変わることなく、すべては日本の浜松の土地から発信され、最終的にこの国とこの土地に帰化起因するものづくりにこだわっている点である。
いってみれば文化とはそういうもので、メガバスが作る道具には日本の文化や浜松の文化が宿っていなければならないという社員たちの強い思い入れにある。
メガバスが作り売っているものは、釣り具の格好をした私たちの文化であり、夢でもある。
新たにメガバスファクトリーの一員となった新人たちには、誇りをもって、一緒に良い釣り道具を作ってもらいたいと思います。