杉村和哉がアイテム別に解説!MEGABASS NANO MATRIX SHAFT “VALKYRIE” | Megabass-メガバス

杉村和哉がアイテム別に解説!MEGABASS NANO MATRIX SHAFT “VALKYRIE”

 

 

2018年に登場したヴァルキリーは、軽快な操作性と粘り強さを併せ持つスペシャルなロッド。マット仕上げのタフなブランクスに高耐久構造部材・SHIELZ、可変式ハンドル長システム・MAHSなどの最新テクノロジーをまとった、次世代のモンスターハンティングシャフトだ。そのヴァルキリーを監修した琵琶湖ガイド杉村和哉氏に、カタログとは一味違った切り口で各アイテムを解説してもらった。

 

 

 

Q: それでは早速、ベイトロッドのライトなモデルから順に説明していただきます。VKC-67MLはどんなロッドですか?

 

 

VKC-67ML

Length : 6’7″ Lure capa: 1/8-1/2oz. Line capa: 6-12lb. Taper: Medium Fast

杉村: このロッドはリーズ際でシャッドを引いたり、マンメイドストラクチャーを撃ったり、漁礁にネコリグでアプローチしたりと、幅広い釣りに対応します。繊細な操作性はもちろんですが、最大の特徴は、ほかのベイトフィネスロッドには見られないバットパワーを持たせていることで、フィネスロッドでありながら北湖の40オーバー、50オーバーもロッドを曲げているだけで浮かせてしまいます。一言で言うなら「なんせ繊細で、なんせ強い」。そんなロッドですね。キャスタビリティも高く、1.3gのネコリグでも遠投が利くレングスに設定しています。

 

 

Q: ミディアムライトということは、メガバスのフォースナンバーで言うとF3に相当するパワーでしょうか。レングスも長すぎず短すぎず、テーパーもシャープで、アキュラシーもバッチリ決まりそうです。では次、VKC-66M+(プラス)はどんなロッドですか?

 

 

VKC-66M+

Length: 6’6″ Lure capa: 1/4-3/4oz. Line capa: 8-20lb. Taper: Regular

杉村: 66M+はワンテン専用のジャーキングスティックですが、これまでのワンテンスティックよりもパワーを持たせてあるのが特徴です。そのためマグナムやプラスワンといったモデルを使う際にもキレのあるダートアクションを楽にできますし、浅いウィードエリアでビッグバスがヒットしたときにも、あと一歩のところで強さを発揮してくれます。テーパーはレギュラーでクセがなく、ワンテンはもちろん、フラップスラップやSクランク1.2など、3/8オンス前後のファストムービングルアー全般にマッチ。レングスはベーシックモードで6フィート6インチと従来のワンテンスティックより長めですが、これも大型のジャークベイトを想定した長さ。もちろん、MAHS(可変式ハンドル長システム)で好みの長さに設定できます。

 

 

Q: ジャークベイト用のロッドはティップが早く戻りすぎないというか、ミノーを強く動かし、なおかつタメが効くことが重要と聞きますが、たしかに曲げてみればほかのロッドとの設計意図の違いが明確にわかりますね。69M+はいかがでしょう。

 

 

VKC-69M+

Length: 6’9″ Lure capa: 1/4-3/4oz. Line capa: 8-20lb. Taper: Medium Fast

杉村: このロッドはソニックサイドや1/2オンスクラスのスピナーベイト、NEWバイブレーションXなど、66M+よりワンサイズ大きなファストムービングルアーを多用する際に最適な1本です。テーパーはレスポンスに優れたミディアムファストですが、リトリーブ時やファイト時には全体的にしっかりと曲がって粘り腰を発揮します。「投げては巻く」を繰り返すムービング系の釣りにもへこたれない、タフな仕様のロッドです。

 

シャロークランクでリップラップを攻める。66M+、69M+は巻物にベストマッチ。

 

 

Q: 曲がりは間違いなく巻物系のそれなのに、広範囲をテンポよく探っていくレスポンスも備えた名竿ですね。69のレングスも絶妙です。次はVKC-611MHをお願いします。

 

 

VKC-611MH

Length: 6’11” Lure capa: 3/8-1oz. Line capa: 12-25lb. Taper: Medium Fast

杉村: ボトムゲーム専用設計のロッドで、オープンウォーターのボトムをライトリグでサーチするだけでなく、テキサスリグでカバーを“撃つ”釣りにも対応します。テーパーはミディアムファスト。アタリを感じて、なおかつしっかり巻き合わせできるよう、ファストとレギュラーのいいところをとってミディアムファストにしました。このシリーズのなかでは感度に特化したロッドであり、ラインスラックを使ってワームをアクションさせる高度なテクニックにも対応します。また、グリップエンドにはバランサーを入れて持ち重りを解消しています。

 

 

Q: ボトムつながりではスピナーベイトを使った繊細なサーチにも使えそうですね。ではどんどん行きましょう。次はVKC-71MHです。

 

 

VKC-71MH

Length: 7’1″ Lure capa: 3/8-1oz. Line capa: 12-25lb. Taper: Medium Fast

杉村: このロッドはDX-FREEやディープX300を使ったディープクランキング専用で、スピナーベイトのスローリトリーブにも対応します。特徴はファストムービングロッドでありながら、ある程度の感度も求めていることで、クランクベイトがウィードにスタックした感触とか、それをほぐす感覚、あるいはウィードを切るシャープさなどを兼ね備えています。当然、ディープクランキングの命である飛距離にも最大限に配慮し、ルアーのウエイトを背負って遠くに飛ばす設計。キャスタビリティにもこだわっています。

 

 

71MHはディープクランク専用シャフト。必要なスペックをフル装備したロッドだ。

 

 

Q: 感度とシャープさが従来の巻き物用ロッドとの一番の違いですね。これならウィードタッチやバスのアタリをはっきり感じ取れそう。次の71Hはこれのヘビー仕様ですか?

 

 

VKC-71H

Length: 7’1″ Lure capa: 3/8-2oz. Line capa: 12-30lb. Taper: Medium Fast

杉村: いや、71Hはフロッグ専用です。といってもヘビーカバーを撃っていくだけのロッドではなく、リーズ前のトゥイッチンフロッグや薄目のヒシモのカバーをメインに、幅広くフロッグゲームを楽しむために提案しました。ほかに3/4オンスから1オンスくらいのシンカーを使った軽いパンチングにも応用が可能です。フロッグゲームでは下捌きのルアー操作が多いのでスパイラルガイドを採用し、操作時にトップガイドが下を向くようにしてあります。これまでのメガバスロッドで言えば、オロチ・マットバッカーのインチアップバージョンともいうべき竿で、このようなフロッグゲームを楽しむアングラーには待望の1本と言えるでしょう。

 

 

Q: ティップからベリーにかけてのトルクとスパイラルガイドが特徴的で、設計意図も明確。かゆいところに手が届く感じですね。潜在的な需要はかなり高いと感じます。では次に72Hをお願いします。

 

 

VKC-72H

Length: 7’2″ Lure capa: 3/8-2oz. Line capa: 12-30lb. Taper: Fast

杉村: 611MHと同じく撃ちもの専用設計です。611MHがライトテキサス専用なら、この72Hはラバージグ専用。操作性を上げるためファストテーパーに設定し、グリップエンドにはバランサーを入れて持ち重りを防ぐと同時に、ティップが上を向くように調整しています。バットパワーは非常に強いのですが、ガチガチに硬い設計ではなく、竿を曲げてロッドのパワーで魚を寄せるような、ちょっと中弾性的なパワーのあるロッドです。

 

 

 

マンメイドストラクチャーにラバージグ・ドランクフライを撃ってビッグバスをキャッチ。

 

 

Q: ファストテーパーでありながらトルクフルなブランクス。インタビューの日にビッグバスを釣ったのも、このロッドでしたね。次のVKC-74H+はさらに肉厚を感じるロッドですが、これはどんなロッドですか?

 

 

VKC-74H+

Length: 7’4″ Lure capa: 3/8-3oz. Line capa: 12-30lb. Taper: REGULAR

杉村: 74H+はアラバマリグをはじめ重量級のビッグベイト、マグナムスプーンなど、重くてデカいルアーの遠投&巻き専用と考えていいでしょう。僕は主にアラバマ系リグに使っていますが、ビッグMを投げて引くのにも適したアクションです。このロッドをレギュラーテーパーにしているのは、竿全体にルアーのウエイトを乗せて遠投できるようにという狙いです。レングスを74にしているのも遠投のため。感度よりパワーを優先した、トルクフルなパワーバーサタイルロッドです。

 

 

Q: アラバマリグと聞くととてつもないヘビーロッドをイメージしてしまいますが、これはパワーバーサタイルというだけあって使い道が広そう。ビッグMに適しているという感想はほかでも聞きました。ではベイトロッド最強の一本、VKC-76XXHをお願いします。

 

 

VKC-76XXH

Length: 7’6″ Lure capa: 3/8-4oz. Line capa: 16-30lb. Taper: Medium Fast

杉村: ヴァルキリーは611MH、72H、76XXHの3アイテムが撃ちもの専用機種ですが、言うまでもなくそのなかで最大のパワーロッドで、PEラインによるシャローのフリップ、パンチングが得意です。このロッドはバットが太く、ブランクスが重いため、グリップエンドのバランサーはかなり重くして持ち重りを軽減しています。またPEラインの使用や撃ち込み回数の多さから、ラインがブランクスに絡んでの破損等トラブルも想定されるため、スパイラルガイド仕様にしてアクシデントを回避しています。一連の動作がスムーズになるのはもちろん、ティップ絡みの不安が解消されるため釣りに集中できる点もメリットですね。

 

 

Q: このロッドで厚いマットカバーからデカバスをぶち抜いたら、もの凄く気持ちよさそうですね。では続いてスピニング2アイテムを解説してください。VKS-68MLはどのような目的で作ったロッドですか?

 

 

VKS-68ML

Length: 6’8” Lure capa: 1/8-1/2oz. Line capa: 6-12lb. Taper: Fast

杉村: このロッドは琵琶湖の春にミドストで多用するジグヘッドやダウンショットをテクニカルに操作できるよう、ファストテーパーに設計したロッドです。巻きの釣りよりも操作系を意識した竿で、非常に使いやすい調子になっています。パワー表記はMLですが、使用感はむしろLに近いくらいの軽快さ。それでいてビッグバスにも余裕で対応します。ルアーをしっかり動かすことができてトルクもあり、竿を曲げているだけで魚を寄せてしまう。そんなスピニングロッドを求めている方にはぜひ使ってもらいたい1本ですね。

 

 

Q: なるほど納得です。もう一本のVKS-611Mは数値上のデータを見ると、よりパワフルな印象のロッドですね。

 

 

VKS-611M

Length: 6’11” Lure capa: 1/4-3/4oz. Line capa: 8-14lb. Taper: Regular

杉村: はい。これはシャッドの巻きをはじめいろいろな釣りに使うことのできるロッドで、僕の琵琶湖のメインロッドと言ってもいい1本です。個人的には琵琶湖のネコリグ専用設計!と言い切ってしまいたいくらいですが、応用範囲は非常に広いですね。パワーはM。ただ、これもMLくらいの軽快な使用感です。レギュラーテーパーでしっかりタメが利き、たとえば春のドラッギングでは、アングラーとルアーが30~40m離れた状態でも思いっきりフッキングが決まるトルクがあります。

 

 

琵琶湖のデカバスを攻略するために必要なアキュラシー性、食わせのアクションに求められる操作性、ヒットしたバスの引きに耐え、アングラーの負担を軽減するパワーと柔軟性など琵琶湖ガイドが肌で感じる条件を形にし、なおかつSHIELZ、MAHSといった最先端のテクノロジーも搭載したヴァルキリー。デストロイヤーともオロチとも違う独特のフィーリングを体感してほしい。

 

 

 

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