見える魚からは、見られてる。

河辺裕和さんがハードベイトによるサイトゲームを展開する動画が公開された。KARASHI(からし)やX-80をはじめ、ジンクリアレイクのタフフィッシュに挑んでいる。

河辺さんといえば、言うまでもなくソフトベイト界稀代の名作、「ゲーリーヤマモト」シリーズを30数年にわたり我が国で広めてきた立役者、「ゲーリーインターナショナル」代表。

私も創業期には随分とゲーリーグラブにお世話になったものだ。

ソフトベイトは、釣果あってこその世界。ハードベイトのように未開封のモデルを飾って愛でる方もそうそういない。トレンドの移り変わりに関係なく普遍的釣果の重要性を守り続けているのが河辺さんだ。


さて、河辺さんが挑んだクリアレイクは、近年のビッグベイトゲームの裏側で急速に進みつつある「魚の捕視力」が極めて高まっている状況にあった。

対象物を「獲物」として捉えるか、それとも「警戒すべきもの」と捉えるか、それを瞬時に判断する、いわゆる天才君の魚が多い。近年はそんな状況が各地で起きている。

KARASHIもX-80も開発時、あらゆるフィールドを舞台にテストしてきた。

どちらもメガバスファクトリーに程近い都田川ダムのバックウォーターのテストと琵琶湖北湖のテスト、全国どこにでもあるスレッカラシのクローズドポンド、による3ゾーンを検証フィールドとして徹底的に煮詰めてきたものだ。どちらも開発年次もデビューした時代も違う。

X-80は、まだ私の机に鉛筆と定規で図面を引く製図台があったころの作品。

KARASHIは、開発当時に私が「PLAZMA(プラズマ)とニックネームで呼んでいた、私の手彫りのモックアップを基に、メガバスファクトリーの最新3Dハイドロスキャニング技術によって造形化されたモダン作品。

開発時に用いた機器や設備環境、時代背景は大きく違うものの、いずれの作品も「普遍的釣果」の追求に全身全霊を込めたことに違いはない。

近年のジンクリアレイクの釣りは、朝晩にチャンスが極度に集中し、日中のシャローの釣りなどは見切りをつけて昼寝をしていたほうがいい時がある。

当然ながら、こちらから魚が見えるということは、「あちらからも見られている」わけで、近年のジンクリアレイクの釣りはアプローチもさることながら、ルアーの差がたいへん大きく出る。

したがって、日頃ルアーを見切っている魚が相手なだけに、本来はソフトベイトで食わせたいところなのだが、そこをあえてハードベイトで挑む。

「食わせられる」ルアーはどれなのか。天才君のバス達に選んでもらうわけだ。

ハードベイトでもガンガンに「食わせている」河辺さん。かっこよかったです。