THE MEGABASS HISTORY Vol.1 「ARMS SUPER LEGGERA」 COUNT DOWN!!

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○「ORIGINAL ARMS」1986~

1986年、MEGABASSは、音楽活動の傍ら魚を獲って暮していた私のカスタムロッド製作からはじまっている。

そのロッドの名こそが、ARMS。一本一本チークウッドから切り出されたウッドグリップは、顧客の手に合わせて私が削っていた。ブランクも当時の最高弾性率と謳われはじめた30T弾性率を目指すべく、航空機産業で積極的に採用され始めたA.C.E(AIR CRAFT ENGINEERING CARBON)をいち早く導入し、試行錯誤しながら巻いたものだ。当時はネバリを重視し、27T弾性率のロッドとしてデビューした。

ガイドは、富士工業ではまだ単品パーツ販売しかしていなかったチタンフレームのSICガイド。量産モデルとしてチタンフレームを業界で初導入したのがARMSで、当時創刊間もない頃の釣り雑誌、Basserでフルカラー掲載され、話題となった。

今日の当社へと導いてくれたエポックメイキングなロッドである。「MEGABASSの名は知らなくても、V―FLATやARMSなら知っている」そんな創業期。

 

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初回オーダー分は、1989年8月10日の終戦記念日に完売。以降、どうしても、という数人の顧客に向けて、私の手空きの時に製作して納品させていただき、後年にも数本製作している。

92年には完全に生産を終えて、96年発表のデストロイヤーの開発に4年間を充てている。

ここまでの生産本数は、本社の記録によれば、総計98本。すべて私一人で製作したものだ。

やがて、2014年、弊社主催ARMSチャレンジカップのウイナーと善戦敢闘者を称えるため、22年ぶりに2本のみを追加製作。チークウッドのグリップは、数度の工場移転を経て奇跡的に現存していた当時のチークウッドによる未塗装ストックのグリップを使用。こちらの製作者は、私に加えて、本社ロッドファクトリーのプロダクト責任者である山下と、本社で永年勤続を誇るマイスター鈴木の3人の手によるもの。紛れもなくORIGINAL ARMSである。こちらの2014年製の2本のARMSのブランクは、ACEではなく、次期メガバスロッドに採用予定として実験していた最新のMSXグラファイト工法によって製作。次期メガバスロッドブランクのプロトタイプでもある。

 

これで、TOTAL100本のORIGINAL ARMSを製作した計算になるが、現役使用可能な状態で世に現存する本数は不明。

時折フィッシングショーで鑑定依頼を持ち込まれるが、コピーや愛好者の手によるレプリカも出回っており、それでもこれまでに10数本のオリジナルを鑑定することができている。本社には、私の私物としてのARMSがプロトタイプの1本と量産型3本の計4本のみが存在するので、96本はアングラーの手に渡ったといえる。

本社では、現存するARMS所有者には、本社へ発送か持ち込みによる鑑定ののち、これまでにも数本のARMSについて鑑定書を発行している。私は、毎年8月のメガバス創立記念日にのみ、いまもオリジナルARMSで釣りをする。初心を忘れないために握るのだが、いまもこれ以上の感度と釣り味は他のロッドに無いものがある。

 

 

○「ARMS COMPLETE」2007~

ORIGINAL ARMS発表から21年の時を経て製作することになった、オリジナルARMSの正常進化形。ARMSはデビューしたのち、その概念はデストロイヤー・シリーズへと受け継がれ、ロッドクラフトにおけるトータルエンジニアリングとブランクの工法テクノロジーは驚異的な進化を遂げ、現在の最高弾性率を飛躍的に高めたX7と、ネバリの極地に到達したチタンファイバーロッドのエヴォルジオン、という2つのモデルを派生させ独自の発展を遂げた。ARMSが無かったらメガバスのデストロイヤーは誕生しなかったし、現在のX7とEVOLUZIONも生まれなかっただろう。

 

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私の個人的作品を製作するアイティオーエンジニアリング(ITO ENGINEERING)は少数精鋭の職人気質のスタッフで構成されており、不特定多数のユーザーに向けてシビアな仕事をするMEGABASSよりも、開発と生産性の自由度がある。私の個人的な嗜好や欲求をカタチにできるのだ。「もし、メガバスという会社になっていなかったら、社長は個人のビルダーとして、ARMSをどう進化させていたのか?」というスタッフの問い掛けが引き金を引き、21年ぶりのARMSとして製作したのが、2007年に発表したARMSコンプリートである。

剛性に優れた螺旋コンストラクションによるメタル・インジェクションリールシート。そして、チークウッド、ローズウッドなど数種の天然木から選べるウッドグリップ。ブランクは、やがてX7を生み出すことになったコアインプレックスのグラファイト工法。初代オリジナルARMSのグリップエンド断面にオマージュを受けた楕円のハンドルエンドとバランサーデザイン。

ARMSとは、これまでの当社の歴史を振り返ってみても、いわばメガバスロッドを生み出すDNAのコアであり、F-1のように先行技術の実験的作品でもある。

したがってARMSコンプリートも限定生産であり、本社に全機種2本ずつしか現存しない。うち、全機種1本ずつは、私が購入し今も使用しているため、コンディションの良いわずか数本のみが、浜松のAngler‘s CAFEにストックされ現存、販売されているようだ。(つづく)

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