FRESH VOICE

裏の裏の裏を読む!? ~ GREAT HUNTING 46 HUMPBACK ~

 

 

今から17~18年前、当時私は渓流ミノーイングにはまり、山梨県内の渓流を端から叩いていた。そんなとある日、県東部、東京との県境近い河川で竿を振っていたところ、地元のオジさんに話しかけられたのを覚えている。

 

 

「どうだい釣れたかい?」と話かけてきたオジさんに対し、「全然釣れません・・・」と苦笑いしながら応えた私。するとオジさんも笑いながら「ダメだよ。放流日に来ないと!普段は魚なんていないんだから!放流日だけ皆来るんだよ。」と・・・。

 

 

私の印象では、当時は何処の山へ入っても、それなりに魚影はあったし実際釣果もあった為、この時は「東京に近い釣り場は、人口の関係上、当然訪れる釣り人の数も多くなり、結果魚が枯渇・・・普段は魚影が無くなってしまうのかなぁ?」と半信半疑くらいで笑いながら聞いた思い出・・・。

 

 

さて上にここまで掲載した画像は、私の住む甲府の渓流での放流日の様子。

釣り人の居た場所で、転々と車を止めつつ写真撮影したのだが、綺麗に「橋とのセット」の構図となっている。何故このような構図になるかといえば、勿論そこには理由があって・・・それは漁協が各橋毎に魚を放すから。慣れた地元の釣り人達は知ったもので、事前に渓流にかかる各橋の下に場所をとり、「まだか?まだか?」と漁協の放流トラックが来るのを待つという寸法。そして橋の上からロープで吊るした魚の入ったバケツを降ろし、橋の真下の流れに魚が放たれると、待ちわびつつ陣取っていった釣り人が、一斉に竿を振り、目の前の流れに解き放たれた魚を、即座に釣り上げるという流れ。

 

 

「良い」「悪い」とかいう話をしたいわけではない。無論私も「味気ない」とは思っているが・・・とりあえず今回はそこじゃない!(笑)

現在、私の住む地域の「公表されている放流」は、こんな事になっているという話なのだが・・・ただ記憶を辿れば、以前はこんな形ではなかった。漁協はトラックで輸送しつつバケツリレーで魚を運び、人海戦術で広範囲に魚が散るように、撒くように放流してくれていたはず。では何故、いつの間にか放流方法が現在のような「形」になったかと言えば・・・それは恐らく「高齢化」の影響だろう。

漁協という組織も、傍から見るに「若い世代」への新陳代謝が上手に行われているとは言い難く、マンパワー無く、限られた時間と人数で、できるだけ効率的に放流活動をしようとすると上記のような「各橋毎、橋の真下に放流」という単調な方式にならざるをえないのだと思われる・・・。そしてこれは、潤沢な予算があったり、はたまた幸い若い世代にスムーズに世代交代できているような漁協を除いて、全国多くは同様の傾向になっているのではないかと私は思っている。

 

 

一切の魚影も反応も無い、美しく澄んだ流れの極上の淵を前にする度、かつて県境の川で地元のオジさんに言われた冒頭の言葉が頭に蘇り・・・「いよいよ此方も放流日の放流場所しか釣れなくなりましたよ・・・」と呟いている自分が居る。

まあ現実を嘆くのはここまでとして、放流日に遊びたくて釣り場に来たのだから、何はともあれ竿を振ってみる。この日はアマゴを放流とのことで、同様に釣りを楽しみに来た大勢の餌釣り師やルアーマンが川を行き来しており賑やかなもので、出遅れた私は、なかなか入り込むスペースも無かった為、仕方なしに釣り人が空くまでの時間潰しに、放流場所から外れた小さな支流に入ってみた。

 

 

そして「まあ魚影など無かろう・・・」と覚悟して入り込んでみたのだが、予想外の展開が待っていた。

放流日というのが、むしろこの支流には幸いして、朝から誰も、この小さな枝川を叩いていなかったらしく、小ぶりな淵にあった岩陰に、丁寧にGREAT HUNTING46 HUMPBACKを撃ちこんでみた所・・・アッサリと黒い影が走り・・・釣れたのはイワナ!?

20cmチョイの小ぶりな岩魚だっだが、なんとも嬉しい♪(笑)

 

 

居るべき場所に、普通にイワナが潜んでいてくれただけの話なのだが、現在の釣り場環境を考えると、この本来なら「当然の反応」にすら妙な感動を覚えつつ・・・期待を込めて細い枝川をさらに上り進んで行ってみると、現れたコンクリート壁下のエグレが、いかにも美味しそうな淵の連打♪

あまり期待すると、やっぱり居なかった時、余計にガッカリするので、そんなに期待してない体で・・・(笑)でも実は貴重な場に居合わせたんじゃないかとワクワクしつつ・・・Whip Twitch 573を丁寧に振り上げ、壁際ギリギリに正確にGH46 HUMPBACKをピッチングで撃ち込む。着水後は流れに任せてGH46 HUMPBACKをエグレの下に流し込み、その後すぐさまトゥイッチを繰り出し、ヒラ打ちながらエグレの影からGH46 HUMPBACKを逃げ出させたところ・・・即座に背後から黒い影がダッシュしてきてGH46 HUMPBACKに覆いかぶさる!?

 

 

 

 

エグレたポイントが三連打したのだが・・・全部に岩魚が潜んでいた♪(笑)

反応はすこぶる良く、着水~エグレ下への流し込みからの1~2回のトゥイッチという定型作業に対し、どれも躊躇する事の無い元気なバイト!

近年は、釣り人過多により、細い枝川支流も叩かれ尽くされていて、足を使って分け入っても結局「モヌケノカラダッタ」的な釣行だらけだったので、放流日の有名河川の枝川で、こんな魚達に出会えるとは思いもしませんでした。

 

 

思うに、現在の釣り人過多の状況下、細かな枝川まで叩き尽くされ、皆同様に多くは「モヌケノカラ」を体験し続ける結果、いよいよ私含め釣り人は「支流にも、どうせもう居ない。」と裏の裏を読むようになり、結果無駄足となるのを嫌って、何となく足が遠くなる。大勢が共通認識にも近い、ぼんやりとしたイメージを自然と抱き、皆が、この小さな枝川から遠のいていた結果、実は岩魚達は人気が無くなり安全になっていた、この小さな支流に遡上し、ちゃっかりと巣くい始めていたと・・・(笑)

裏の裏を読み、いよいよ「表」の放流しか期待できないと思っていたら、実のところ魚達は、釣り人の予想以上に逞しく、想像以上に素直に、元通りの「裏」に隠れていたという話・・・

キャリアを重ねると、ついつい自然と先を読みがちですが・・・釣り場に立つ前に、先読みして勝手に一喜一憂するよりも、何はともあれ川に立ち、とりあえずキャストして、お魚さんとの意思疎通を図る姿勢のほうが、遥かに清清しく健康的であると実感したのでありました!

 

 

【使用タックル】

 

ロッド : GH57-3LS Whip Twitch 573

リール : 2000番

ライン : PE 0.6号+フロロ4lb

ルアー : GREAT HUNTING GH46 HUMPBACK(タクミヤマメ)