記憶を上書きする「1cmの壁」 | Megabass-メガバス

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記憶を上書きする「1cmの壁」

こんにちは、フィールドスタッフの小林です。

記憶は鮮烈なスナップショットだが、時としてそれを一瞬で過去へと追いやるほどの圧倒的な現実が目の前に現れる。
過日手にした39cmのサツキマス。
その出逢いの興奮が冷めやらぬうちに、長良川本流はさらなる至高の個体を僕に突きつけてきた。

長良川本流

厳しい渇水期を迎え、沈黙を貫く本流。
水位が下がり、クリアアップされた水質は魚の警戒心を極限まで高める。

百戦錬磨の本流トラウトたちが身を潜めるピンポイントの付き場は限られており、並大抵のアプローチではチェイスすら引き出せない。
渇水期特有の微弱な水流の中でも、意図した通りの艶めかしいアクションで口を使わせる静寂が包む本流の核心部。極限の緊張感の中、狙いを定めたピンポイントへミノーを撃ち込んでいく。

その瞬間は突如として訪れた。
水中を泳ぐミノーがピンを通過した刹那、水面下の静寂を切り裂く暴力的なバイト。
直後、手元に伝わる重量感は、前回の39cmを明らかに凌駕するものだった。
本命の存在を確信しフッキングを入れた瞬間、相棒である製品版「GH68-3MLS NAGARA SATSUKI SPECIAL」が、凄まじい放物線を描いて絞り込まれる。
激しいヘッドシェイク、何度もドラグを鳴らし本流の流芯へと突っ込もうとする圧巻のパワー。

バットから限界まで絞り込まれる格別のファイト。
しかし、このロッドには一切のブレも、追従への遅れもなかった。

本流の激流と魚のパワーをいなし、アングラーに絶対的な主導権を握らせ続けるブランクスの粘り。
限界領域でのファイトを経て、ついにランディングネットへと導いたのは、威風堂々たる魚体だった。

長良川本流 皐月鱒 40cm

ネットに横たわったのは、40cmの幅広長良鱒。
数字にすれば、先日の39cmから「わずか1cm」の差でしかない。
しかし、その1cmの壁の向こう側にあったのは、これ以上ないほどに肥大した筋肉質の魚体と、圧倒的な貫禄。まさに『別格』と呼ぶにふさわしい風格を備えていた。
そして、その左背中に刻まれた深い傷跡。
幾度となく天敵の襲撃や死線を潜り抜けてきたであろうその爪痕が、この過酷な長良川本流を生き抜いてきたこの魚の強さを、何よりもリアルに物語っていた。

この極限の状況下で、最高のドラマを連れてきてくれたタックル。
記憶を鮮烈に上書きしてくれたこの特別な出逢いに、心からの敬意を。

では次回ブログ更新まで。

Tackle list
Rod: GH68-3MLS (Product Model) NAGARA SATSUKI SPECIAL
Reel: 22 STELLA 2500SHG
Line: PE 0.8号 + Leader 2号 (ナイロン)
Lure: 自作ハンドメイドミノー (Prototype 枝豆カラー)

Instagram: https://www.instagram.com/kobayashi.tomonori/