FRESH VOICE

神通川サクラマス釣戦記 ~第八章~ 「 塞翁失馬 」

不思議な朝だった。
早朝4時。
私は気になるポジションがあって、どうしても朝イチの釣り座を確保しようと、早めに川へ向かう。
河原にはすでに数台の車があり、夜明けを待って身支度を済ませている。

私も遅れまいと急いで身支度をすませ、川へ向かう … も、
何故か河原へ向かう草むらの道の真ん中で、見たことの無い猫が通せんぼ …
何かを狙っているようで、物凄い臨戦態勢で、私を威嚇してくる …
狙っていたポジション取りに間に合わないので、有無を言わさず追い払おうかと思ったが、
妙にかわいらしい猫だったので、何故か私が折れて遠回りして川へ … (笑)

遅れて川へ降り、期待のポジションを確認すると、
残念 … やはり既に釣り座は、釣り人に確保され、竿を振られている …

「 なんて俺は甘いんだ … 」
「 世の中、良い事なんて全然ないな … 」
「 だいたい猫より犬派なのに … 」

早朝の河原で愚痴を呟きながら、仕方なく狙いのポイントより一段上にポジションをとり、竿を振り始める。

サクラマスの釣りでも朝マズメは期待の時間帯で間違いないが、
いわゆるソルトの釣りでの無条件で活性のあがる 「 朝マズメ 」 とは少し違って、
前日の日没より釣り人に叩かれていない、要するにフレッシュな状態の魚を叩ける時間
という部分の効果が大きい気が私はしている。

このアタラナイ釣りにおける、数少ない期待のできる貴重な時間帯
与えられたポジションにおいて、集中して流れへルアーを打ち込み続けるのが筋というものだが、
己の狙っていたポジションの動向が気にならないわけも無く …

私はチラチラと狙っていたポジションの方の動向を確認していた。
いや正確にいえば、私は狙っていたポジションでのヒットを願っていた …
狙いの立位置の方に魚がかかれば、それは私の読みが正解だった事となるのだから …

そんな事を考えながら竿を振り続ける事、1時間
対岸にクロスでキャストし、リーリングを繰り返し、黙々と流れをU字ターンで切っている私 …

チラ見している、狙っていた釣り座の方が、ミノーをキャストし、糸ふけをとってリーリングを開始した直後だった …

グン ! ?

瞬時に食い込むロッドティップ ! !

返しのフッキングに呼応して、水面が割れ、
早朝の静寂が乱される!!

ゴボゴボ !!

魚が激しく暴れる ! !

そう … 何と バイト した ! !

魚は水面を荒らすと、今度は一気に水底へ向かい、流芯脇あたりにステイし、ビタッと動かない !
現状は安全圏だが、私の一歩前はブレイク、そしてちょい下には狙いのポジションの釣り人が立っている
沈みテトラが流れに突き出ている …

嫌な予感はするが、浮かせないとランディングはできないので、
試しに SXX-87MLS のハードバットで強引に浮かせてみると …

魚はクルッと反転し、一気に流れを下る ! ?
こちらもテンションをかけている為、ややブレイク寄りに走り、その方向には沈みテトラが鎮座している …

これは絶対マズイと、いちかばちかスプールを抑えて強引に沖側へひっつり、ついでに浮かせる …

すると何とかラインもフックも魚の突進に耐え、流れの脇で魚を落ち着かせる事に成功!

夜明けで、薄っすらと明るくなった水面付近に魚を浮かせてくると …

「 ゴボ … ゴボボ ! ! 」 と水面で暴れる魚体が明らかに太い ! !

そして再び怒って、水底へ猛突進 !

足下のブレイク水中に見え隠れする沈み倒木の黒いシルエットが危険すぎて、
忙しくロッドを立てたり寝かせたりしながら、必死に魚をいなす !

しかしこの魚、なかなかタフで、
3~4回寄せても、ことごとく沖へ走り、なかなかランディング体勢に入らせてくれない …

… が早朝のプライムタイムを私のやりとりで時間ロスするわけにもいかないので、
私は意を決し自ら深みに歩み寄って SXX-87MLS のバットパワーはもちろん、
トラウトロッドに比べて一段張りのあるベリーをも、がっつり曲げる勢いで強引に魚を寄せ、
ランディングネットを一気に水中に潜り込ませ、やや乱暴だが一撃ランディングへ …

その結果 …

確保ぉ ~ !!

時刻 午前5時30分
場所 神通大橋右岸下流
水位 1.40 m ( 神通大橋 )

人生サクラマス2匹目 !

神通サクラマス2匹目 !

無事確保致しました !

65cm ( 雄 )

3.6kg

完璧なボディ !

完璧な視線 !

完璧な尾びれ !

強烈なファイト !

強引なやりとり !

フゥ~ よかったぁ … ♪

まだまだ魚の位置の予測がかなりアバウトで
残念ながら予想は外れちゃいましたが … 結果オーライでした !(笑)

また不意のバイトに対し、繊細にロッドティップが追従し、吸い付くようにバイトを絡めとり、
緊張のラフファイトにも期待通りの働きをしてくれた Shadow-XX 87MLS にも大感謝でした !

まだまだ生涯2匹目 !
一歩づつ学んでいきたいと思います !

撮影協力 : 中川 弘 氏

使用タックル

ロッド : SHADOW-XX 2015 SXX-87ML
リール : シマノ 4000
ライン : DragonCALL 8braid PE 1号 + ナイロン 25lb
ルアー : フローティングミノー