FRESH VOICE

神通川サクラマス釣戦記 ~第六章~ 「 初志貫徹 」

考える …
これだけ魚からの反応が得られないと、さすがに考える …
できれば直近の釣果情報が欲しいところだが … 初参戦で知り合いもいないので無理 …(笑)
己の頭で考えて、論理的に、確率的に魚との出会う可能性が高い所 …
ここ数日間の釣りを通して自分が感じた印象、感触で、やりやすい所 …

神通川のサクラマス釣りは、上流域と下流域の2つの区間が設定されており、
この間に井田川と熊野川という支流が流れ込んできている。
そして河口より神通川を遡上してくるサクラマス達は、神通川本流を遡上していくものと、
前記支流の2本の川へ、それぞれ遡上していくものがおり、
単純に計算すれば、神通川本流上流域に遡上していく魚は、下流域時点より3分の1に減るということ …
(もの凄い荒い計算ですが … )
であれば、やはり魚達が分かれる前、頭数が多い段階で叩くのが、遭遇確率が高いということ …
即ちサクラマス釣り区間の下流域の方が、数字上の遭遇可能性は高いはず。
さらに先日、現に釣果を見たのは下流域 …
そして私自身、魚からの反応を唯一得たのは下流域 …

論理的にも、心理的にも、答えは出ているのでした …

「 決めた … 俺は下流区間で死のう … 」

この日、富山の最高気温は27度まで上がり、なかなかに暑い日だった。
私は朝から下流域を釣り歩く。
決意通り、一日下流域の特定区間を繰り返し叩きまくる … も、やはり無反応 …
手強い …
簡単にはいかない …

そして昼、休憩を兼ねて昼食を摂り、気分一新 ♪
午後2時より、改めて決意のルーティーンを実行 !

神通大橋から下流へ釣り下りながら、ミノーを流れへ撃ち込んでいく。
全てが探り探り …
多くの方の意見では、食性ではなくリアクションを狙うべしということだが …
リトリーブスピードは早巻きがいいということか ?
はたしてスローは絶対ダメなのだろうか …
どの程度のスローさだとダメなんだ ?
逆引きだと結構ルアー抵抗激しいが、この状態でも早巻きなのだろうか … ?

分からない … 不安だ … ( 笑 )

ミノーの操作はドリフトでいい ? それともU字ターンの方が効くのだろうか ?
トゥイッチはどうなんだろう ? 一定で連射 ? それとも飽きられないよう不規則 ?
いや余計な事して警戒させるより、最終的にタダ巻きの方が見切られず、手堅いのでは …

遭遇確率の低さが身に染みて理解できてきたので、できるだけマイナスな行為は避けようと
必死に頭の中で問答し、迷いながらキャストを続ける。

休憩を挟んだ事で、集中力を取り戻し、改めて丁寧なアプローチでルアーを流していく。
具体的には、狙ったのは( イメージしたのは … )流芯脇のカケアガリ。
このカケアガリの上で、できるだけターンするようミノーの丁寧な操作を心がけ、
この動作を維持しつつ徐々に川を釣り下った。

晴天。
日の光が真上から川に差し込む。
気温・水温ともに最高に上がったであろう午後2時20分。
神通大橋水位 157cm
午後の部、釣り開始から20分。
いまだ集中力全開の時間帯。
流芯側からミノーを流し、カケアガリ上でターンを終え、いよいよミノーが私の方を向き、
リトリーブの抵抗感がちょい増しになった瞬間だった …

ドン ! !

強烈な衝撃 ! !

リールハンドルが止まる !
即座にフッキングをかます!
左斜め上段に構えていた SXX-87MLS が一気に絞られる !

次の瞬間、水面が割れ、銀色の魚体が宙に舞い、一回転して、また水中へ戻る !

緊張が走る …
完璧だった …
一瞬で分かった !
完全にサクラマスだった !

そして、そこから一気に下流へダッシュが始まり。
人気の無い平日の午後の川に、開始ゴング代わりのドラグ音が鳴り響く !

「 頼む ! 何事も起きるな … 」

ファーストランが終わるのをロッドを保持して祈る …

20m程下流だろうか、何とか魚はストップ !

そして今度はボトムに張り付き、動こうとしない !

しばしの膠着状態 …

強引にいって怒らせて、再び流れに乗られて川を下られるのはマズイ …
また、流れと逆側には沈んだテトラがあるはず …
なにせ、そこでコケてウェーダー水没したからな …
そちら側に寄られるのもマズイ …
この位置をキープしたまま、ゆっくりと真上に寄せてくるのがベストなのだが …
どうなのだろうか …
川底で頑として動こうとしないが …

怒るかな ?
怒るなよ ~

このままでは埒があかないので、じんわりとプレッシャーを増し、
ゆっくりと上流へ魚を寄せてくる。

初めての一匹
初めてのサクラマス

時折嫌がり、首を振る感触がロッドに伝わるのが、心臓に悪い …

だましだましゆっくり寄せてくる。
幸い激しく暴れる様子はない。

「 これは … いけるのか … ? 」

甘い期待がよぎる … と、いよいよ魚を浮かせようとした時 …

「 ジーーーーーーー ! ! 」
再びダッシュ !

緊張するも、これまた何とかしのぎ …
再びじっくりと魚を寄せ …
いよいよランディング !

考えてみれば、普段の富士川のシーバス釣りではズリ上げランディングばかりで、
ネットランディングの経験少ない私 …

「 ああ … エアーネットランディングで練習しておくのだった … 」 と、この場面になって後悔しつつ、
背中に手を回す。
「 結構こんな時に限って、ベストのホックとかとネットの網に絡むんだよな … 」
と、心配性な私らしい予感が働くも、珍しく何事も無くネット開放 !

「 いざ ! 勝負 ! ! 」

と、ネットを水中へ滑らせ、魚を浮かせに竿を立てたところ …
再び魚が怒って疾走 !
泣き出すドラグ音に、またまた背筋が凍る …

そして2回目のランディング …
今度こそ覚悟を決め、しっかりとネットを水中へ潜らせ
思い切り良く SXX-87MLS のバットパワーで魚を一気に寄せる !

「 お願いだから … いい子でいてくれ … 」

確保ぉ ~ ! !

はぁ … やっと会えた …

( 長文になりましたので、続きは次回 )

今回の使用タックル

ロッド : SHADOW-XX 2015 SXX-87ML
リール : シマノ 4000
ライン : DragonCALL 8braid PE 1号 + フロロ 22lb
ルアー : フローティングミノー