FRESH VOICE

狩野川リバーシーバス 動画撮影 インサイドストーリー

とうに狙いの時間は過ぎていた。
適度な増水と、濁り。条件は悪くない。
「 何とかいけるんじゃないか … 」
そんな淡い期待はあっさり裏切られた。

焦る。口数が明らかに少なくなる。
頭の中はこの後、少しでも期待の持てる展開を試行錯誤する。
決して悪いポイントではない。
このままこの場で、上げ潮のタイミングを狙うのが正解なのか ?
それともポイントを捨て、ノープランのガチンコ魚探しの旅に移ったほうが良いのか ?

迷う …

結論としては、私はポイントを捨て、魚探しの旅を選んだ。
決断の根拠は、ほとんど勘としかいいようがないが …
いうなれば事前釣行の際に得ていた感覚と、
この日の好条件下での現時点までのアタリの無さの感触だろうか …。
瀬絡みのポイントを捨て、川の流れを追うように、狩野川を下りながら目ぼしいポイントにルアーをさしていく。
潮は下げきり、本来の川の流れしかない状況。流芯はぼやけ、川幅全体が一定の流れで流れている。
私は、流れへの力点を小さくし、目に見え、予想できる地形変化を追う。

そんな中で目に付いた 「 葦 」 ! !

上流から眺めるに、周りの岸は川の流れに侵食され比較的なだらかな傾斜のブレイクを形成しているの
だが、葦原の周りだけ、葦の根が土の侵食を防ぐらしく、周囲とは異なり急角度なブレイクを形成していた。

「 僅かな違い … 本当に小さな変化だが … 」

すがる思いで、また淡い期待に向けて、私は Cutter128 をキャストする。
ポイント直撃は避け、川のセンター側から流れに乗せて自然な感じで カッター128 をポイントに流し込む…。
地形をイメージし、ブレイク上を舐めるように、ゆったりノタノタと
スローリトリーブで Cutter 128 を泳がせた時だった …

『 グォゴ ! ! 』

重いアタリ ! !
即座にロッドをあおり、フッキングをかます !
魚は川のセンター方向に走り出し、一気に ガウス のドラグが鳴り始める !

「 イ・タ・ゼ … ! ! 」

一気に視界が開け、グリップに伝わる魚の暴力的な抵抗に心が躍る。
魚は重々しく走り、ラインを出す。
エラ洗いはしない…。偏光グラス越しに見える、暴れる魚体が明らかに太い。
2回ほど 「 岸に寄せては、ラインを出され 」 を繰り返し、何回かの水中での首振りの抵抗をしのいだ後
いよいよランディングの時だった …
体勢を整え、最後の寄せに掛かった時、岸まで残り 2mくらいだった …

「 スッ … ! ? 」

一瞬の首振りだった。
あっけなくフックが抜けた。
それまでのやり取りから、十分なフッキング感覚を得ていた私は 「 キョトン … ! ? 」
偏光グラス越しに見えるシーバスも 「 アレ ? 」 みたいな感じで、しばしその場に 「 キョトン 」 とし、
何事もなかったかのように薄暗い水底へ、ゆっくりと消えていった …。

フックをチェックする。
テールの一発が、僅かに外側に開いていた …。
小刻みに指が震える …。
さっきまであったはずの開放感が一瞬で消え、一気に空気が重くなり、私のミゾオチを押す …。

しばし休憩し、場を休める。
貴重な一匹…。普段なら気にも留めない一匹 …
「 うわ ! バレタ 」 ですむ魚。
気にしてない体だが、カメラマンの方の落胆も空気感で伝わる …。

「 これなのか … ? 」
つくづく自分に嫌気がする。
前回の XLUSH (F) の撮影もそう …。大切な魚を、大切な場面で失う。

前回はドラグセッティングのミス、そして今回はフックアウト …。
釣りに関わらず、私は自分自身を、ほとんど信頼していない。むしろ、ほぼ失望している。
そんな中で続けている釣りだが、ここもまた失望で終わるのだろうか …
カッター128 の開いたフックを予備の カッター の新品のものと交換しつつ、期待薄なもう一回のバイトを …
もう一度のチャンスを祈る …。
バラシから30分程だろうか、潮位と流れとの兼ね合いで、
あまり時間を置いて状況を変化させるわけにもいかず、
再びポイントに立つ。

緊張する …
カメラ前、平静を装うも、完璧に緊張している。(笑)
恐らくこれでバイトが得られないと、緊張の糸が切れる …。
もうモチベーションが続かない …。
アタリを楽しみに待つような期待感は一切無い …。
今にも溶けそうな人間が、もう一度触れようと必死で投げたワンキャスト。
祈るように、先刻のバイトをなぞり、着水後、一気にリーリングし、 カッター に深度を与え、
ノーリトリーブでブレイク際にルアーを流し込み、静かにリトリーブを開始した直後だった …

『 ドン ! ? 』

強烈なバイト ! !

即座に見舞ったフッキングに対し、わずかに割れた水面。
一瞬魚種が確認できず 「 ウン ? 」 と疑問符だったが、直後のエラ洗いでシーバスを確信。
その後のやり取りは YOUTUBE動画 のとおり。

何とか無事にランディングできたのでした。

こんなギリギリな感じで撮影しております。
幸い今回、何とか魚が出せた為、釣れてる体に仕上がっておりますが、
普段の私なんぞ、たいして釣れません … (笑)
腕が無いのを、睡眠時間を削り、釣行時間を稼いでカバーしてるに過ぎません。
正直釣れない日のほうが多く、怖いくらいアタリがない中、
傍から見たら何が楽しいのか分からないかもしれませんが、
そんな中で、時折おこる奇跡 …
突然現れるモンスターサイズ …
前触れも無くいきなり鳴り出すドラグ …
有無を言わさずフックが伸ばされ、闇へと消える感触 …
時にそんな出会いがあり、幸か?不幸か?体験した人間は、
また触れたくて、キャストをし続けるハメになるのだと思います。(笑)

今、とても良い時期です。
一生もののモンスターサイズと出会えるかもしれない … 。
信じられない連発劇を目撃するかもしれない … 。
「リバー・サーフ・港湾部・磯」等、いずれの場所も期待できます。
是非、お近くの釣り場に立ち、出会いを求めてキャストいただければと思います。

尚、今回、メガバスの動画紹介ではモンスターシーバスなどと吹いてますが、モンスターは大袈裟 ! (笑)
モンスターはこんなもんじゃありません ! (笑)
全然レベルが違いますので、そのうち何とか本物をお見せできればと思います。乞うご期待 !
もっとも今回の魚、私にとっては思い出に残る、奇跡の一匹にはなりましたが … (笑)

今回の使用タックル

ロッド : SXX-96ML
リール : GAUS 30X
ライン : Dragon CALL 8braid PE 1号
ルアー : CUTTER128 (GLX WAGIN 遠州レインボー)