MEGABASS Engineering Team Blog Vol.116 | Megabass-メガバス

MEGABASS Engineering Team Blog Vol.116

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MAGSLOWL (T-017)

 

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発売以来、多くのアングラーに支持され、メガバスの定番品の仲間入りを果たしているMAGDRAFT。開発当初から同時進行で開発が進められてきたのが、今回紹介するMAGSLOWL(マグスロウル)です。

 

そんな、MAGDRAFTが「動」のスイムベイトであるのに対し、MAGSLOWLは名の通り「静」のスイムベイトに仕上がっています。

 

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形状を観察すれば2つのスイムベイトの特性は一目瞭然で、

上のマグドラフトは、テールで受けた水をアクションとして変換し、それをしっかりとボディ前方にまで力強く伝達させるため、ボディからテールまでのシェイプが比較的太いのが見て取れる。

相反して、下のマグスロウルは、非常に薄い(細い)シェイプなのが分かる。

ここに、アクションのキモがあります。

簡潔言うと、水を受けたテールは必ずローリングしようとします。そのローリングを徹底的に排除し、左右へのウォブリングだけのアクションにするためです。

 

 

マグドラフトは、

■ テンポ良く釣りを展開できる。

■ ミディアムからファストリトリーブでしか反応しない魚に口を使わせる。

■ 流れのあるシュチエーションでも、しっかりと泳ぐ。

というコンセプトのもと、低速ではなく中速を軸とし、リトリーブスピード域に幅を持たせたアクションを目指した製品でした。

このコンセプトは明確で、比較的早い段階でマグドラフトは、理想のアクションを出せていました。

 

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対して、マグスロウルは、

■  スローリトリーブでしっかり動く。

こちらのコンセプトは、更に明確ではあったが、アクションの質をどの方向性にするかが、最大のポイントでした。

 

 

世の中には、たくさんのスイムベイト、シャッドテールワームがあります。

その中で、ざっくりと大きく分けて2つに分けられる。

 

■ ローリングアクション主体のもの。

■ ウォブリングアクション主体のもの。

 

上記の2つに当てはめるのであれば、マグドラフトは前者であり、アクションの性質をしっかり差別化するためにもマグスロウルは、後者にするべきだという結論にいたりました。

もちろんそこには、魚の声を吟味しながら、です。

 

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マグスロウルのアクションは、頭を振りません。

開発途中では、マグスロウルは低速でテールがウォブリングし、頭をヘコヘコと左右に振るアクションでした。

 

よく、テールのアクションをボディの頭まで伝達し、頭を左右にヘコヘコと振りながらのアクション・・・・という説明があります。なにも、それが駄目だとは思いませんし、むしろ釣れる大切な要素のひとつです。

なにより、メガバス製品の中にもスイムベイトではないですが、スパークシャッドがそのアクションを目指して開発されました。

 

さて、

中速、もしくは中速以上で釣れる魚には、マグドラフト。低速で釣れる魚には、マグドラフトをアクションするギリギリのスピードで使用するか、スパークシャッドを使用するかで、事が足りる。

つまりメガバスの製品として、なにもマグスロウルに、その「頭を振る」アクションは必要なかったのです。

 

そこで、マグスロウルのアクションを、「頭を振らずテールだけがウォブリングする」アクションへと修正し、更にテストを繰り返しました。

 

結果的に見えたものとしては、上で述べた、低速で釣れる魚には、マグドラフトをアクションするギリギリのスピードで使用するか、スパークシャッドを使用するかで釣れる魚、ではない魚が明らかに反応してくれました。

 

 

つまり、ここでようやくマグスロウルを製品化できる意味が生まれたのです。

ルアーローテーションとして、しっかりとマグドラフトやスパークシャッドと差別化できるスイムベイトとして。

 

そんな遅咲き?なスイムベイトMAGSLOWL(マグスロウル)。

2016年の新製品として、もうしばらくお待ち下さい。